NPO法人食べて語ろう会では、1月29日(土)広島弁護士会館において、エッセイストの 吉永 みち子様をお迎えし、講演会を開催しました。
また、今年度も更生保護及び医療や教育施設などで実務の最前線にて携わっておられる5名の皆様に登壇いただき、『コロナ禍での子どもたちの悲鳴と苦悩』をテーマとした、シンポジウムを行いました。
今回はコロナ感染拡大が厳しい状況であるため、オンライン配信による参加のみとなりました。
まず最初に、パネリストの紹介を兼ねて、それぞれの団体機関の活動内容とコロナ禍での子どもたちの現況などについて、お話しいただきました。
登壇パネリスト
◆児玉 晄子様 (こだまクリニック院長)
◆豊田 奈未様 (広島市教育委員会学校教育部生徒指導課スク ールソーシャルワーカー)
◆寺西 環江様 (弁護士 ・広島弁護士会子どもの権利委員会所属)
◆福田 崇宏様 (広島市教育委員会青少年育成部非行防止・自立支援担当課長)
◆阿部 将史様 (広島県西部子ども家庭センター相談援助第二課初期対応係長)
なお、今回のシンポジウムのコーディネーターは、昨年に続き札幌矯正管区長で本会の顧問をしたただいている 中島 学様にお願いしました。
2年以上に及ぶコロナ禍の中で、子どもを取り巻く現況は、
家庭・・・休校が長期化しても保護者が仕事を休めず、親も子も生活リズムがとりにくい
外出の制限があったので、親子やきょうだい間のいさかいが増えた
給食がないため、食事回数が減ったり生活費が困窮する家庭も出てきた
ひとり親家庭での失業が増え、貧困状況がさらに悪化している
生活費のやりくりが苦手な家庭が増えている
学校・・・進学や進級の大事な時期からの流行りはじめ、不安や負担を抱えていた
マスクで顔が見えず、友だちづくりやコミュニケーションがとりにくい
行事や部活が中止になったりして、やる気や目標を失っている
子ども・・・非行の実態が見えにくくなった
今年になり子どもが学校等で感染が増え、家庭内感染することが増えている
乳児にマスク顔で接触するため表情が見えず、発育に影響が出ることを懸念する
虐待・・・虐待の件数が増えた状況は見られないが、SOSが発信しにくい状況になっている
ネット環境・・・いらだちや寂しさを紛らすツールとなっている
ネット上のいじめ、SNSを通じた犯罪被害が増加している
少年少女は被害を受けている実態に気づいていない
コロナでアルバイトがないので、お小遣い稼ぎでの「パパ活」も増えている
となっており、外で子どもたちの姿を見ることも少なくなっていて、また学校や家庭でも居場所も少なくなってきているということでした。
自治体での支援や地域ごとのサポート体制も出てきているので、その情報を提供し繋いでいくことや、子どもたちが相談や弱音を吐ける環境づくりなど、パネリストによるそれぞれの立場からの支援方法やアドバイスをいただきました。
将来を担っていく子どもたちのために、また厳しい環境にある保護者に対しても支援のできる大人や地域がしっかりと手を差し伸べていくことと、支援者同士での連携や協力をし合っていくことが、1日でも早く子どもたちの笑顔ができる生活が取り戻せるために必要であるという提言がありました。
また、オンライン参加者からもチャットで質問にも答えながら進行もでき、講演会及びシンポジウムともに、とても好評をいただけたようです。
開催については会場参加中止になり、またオンライン参加者にも一部不具合がありましたことにつきまして、あらためてお詫びします。
最後にご参加の皆様には、長時間ご拝聴いただき、ありがとうございました。